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一致しており、災害発生率の高まりは、イカ釣り漁船特有の災害というより、海外操業の長期化による影響が大きいと推測されます。
イカ釣り漁業は集団操業が常態となっており、特に大型イカ釣り漁船の場合は、漁撈長の組織が強固で、万一海難事故が発生しても救難救助活動が迅速に行われる体制が整っており、GMDSSの導入と相まって、人命をも奪う大規模な海難事故は想定しにくく、海外操業の長期化といっても、その点では不安を強めるものではありません。
むしろ問題と考えられるのは、乗組員のメンタルの部分です。
陸上と違い長い船では一年あまりも船内生活、海外滞在を行うケースもあり、いくら慣れているといっても精神バランスを崩す可能性があり、また昨今、外国人船員の混乗が普通となり、言語、習慣の違いから、よけいにストレスが高じる状況となっています。
また長期間の操業は惰性作業となりやすく、注意力散漫となりがちです。
その結果、通常であればすぐ気付く異常や避けられる事故であっても発見できず、また回避できずに災害に結

 

 

 

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